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下記の記事は2003年3月22日の観光経済新聞に掲載された記事です
安全な温泉あぶない温泉 中澤克之著
湯や配管に潜むレジオネラ属菌が人体に入ることで肺炎に似た症状を起こすレジオネラ菌。体力の弱い高齢者や幼児がこれに感染すると死に至ることもあり今、温泉施設で問題になっている。
著者の中澤克之氏は、スパライズの社長として、レジオネラ属菌をはじめとする各種感染菌を殺す「BSシステム」を旅館・ホテルに販売してきた。同著では、氏の衛生対策業者としての立場から、各温泉地の事例などを交え、レジオネラ属菌の問題にどう取り組んできたか、そしてどのような対策が考えられるかを明らかにしている。
また、循環式のろ過装置が問題視されている風評に対して、循環式風呂自体にはなんの問題もないと反論。真に危険なのは施設側の「不潔でもかまわない」「不潔かもしれないが大丈夫だ」、あるいは「不潔であるはずがない」といった衛生感覚が問題と指摘している。定価1300円(税別)。発行=草思社(電話03−3470−6565)。
下記の記事は2003年3月18日の毎日新聞に掲載された記事です
レジオネラ菌退治などの経験もとに
鎌倉市 二階堂の温泉コンサルタント会社経営、中澤克之さん(36)がこのほど、3年半の温泉コンサルタント業で、レジオネラ菌退治の経験などをもとに「安全な温泉あぶない温泉」を出版した。草思社刊1300円。毎日新聞などの中澤さんの記事を見た出版社から進められてまとめた。
1000カ所以上の温泉施設を検査し、レジオネラ菌の退治や管理法を伝授した経験を具体例を挙げて説明している。循環式温泉以外の温泉や家庭の風呂でも感染されることなどが書かれている。
中澤さんは群馬県渋川市生まれ。温泉設備販売会社を経て33歳で独立、温泉堀りから設備販売、施設運営など温泉に関する何でも引き受け会社「スパライズ」を経営している。
【吉野正浩】
2003年3月17日 発売!
『安全な温泉 あぶない温泉』
中澤克之
著
下記の記事は2003年2月13日の北陸中日新聞に掲載されました。
石川県山中町の第三セクター温泉施設「ゆーゆー館」でのレジオネラ属菌感染による男性死亡事故で、同町は十二日、対策委員会の初会合を開き、原因の究明と対策に乗り出した。町は事故後、施設の前面清掃や殺菌用塩素の注入場所変更など応急処置を済ませているが、その効果はどうか。利用者や施設管理者が気をつけることとは何か。温泉設備・管理、生活細菌コンサルタント会社「スパライズ」(神奈川県鎌倉市)社長で、レジオネラ問題専門家の中澤克之さんに聞いた。
―今回の事故は、他地域の死亡例と同じく、湯を循環させる仕組みの施設で起きた。
循環式であっても、ほとんどの施設は新しいお湯をどんどん足しており、湯を入れ替えているようなもの。
問題は湯そのものではなく、施設の管理と利用の在り方にある。
―町は応急処置として、殺菌用塩素の注入場所をこれまでの「ろ過器の後」から「ろ過器の前」に変えた。
レジオネラ属菌は、ろ過器の中で繁殖する。菌を殺すにはろ過器の前に注入した方が有効だ。一九九九年十二月に当時の厚生省は「前注入せよ」との方針を出した。しかし、現在も「後注入」の施設は多い。
―浴槽内の残留塩素量が基準通りなら、事故は起きなかったのか。
厚生省の方針では「一リットルあたりの残留塩素量〇・二〜〇・四ミリグラムを一日に二時間以上保つ」とあるが、この「二時間」は営業時間内であればいつでもいい。入浴客が多いと、塩素は人体に付着した有機物に「食われ」て残留量が減る。すいた時間帯の測定値が基準を満たしていても、混雑時に十分な殺菌効果が期待できるわけではない。
―利用者が、入浴施設の安全性を判断するポイントは?
見極めて欲しいのは「管理」。まず、浴室と脱衣所の境界に敷かれている足ふきマットを見て欲しい。めくると黒カビだらけということが少なくない。カビは菌の温床になる。きれいな足に菌が付着し、浴室に持ち込むことになってしまう。
浴室の床や浴槽周り、湯船の中にぬめりやカビはないか。多くの場合、ぬめりはバクテリアなどが繁殖して寒天状になったもので、掃除がされていないせいだ。
利用客がちゃんと髪や体を洗って湯船に入っているかどうかも見てほしい。洗って入らない人ばかりが目についたら、長湯は危険。さっさと体を洗って出ることです。
「飲める湯であるかどうかで判断すればいい」と誤解している人もいるが、湯の安全性とは無関係だ。殺菌用の塩素を「臭い」といやがる人は多い。でも、塩素に殺菌効果があるのは確か。安心の根拠になる。
―施設管理者はどうすればいいのか?
自らこまめに掃除をすれば、一日の費用は数百円で済み、施設はいつも清潔。方法は簡単だ。
一日の営業を終えたら、浴槽の湯に塩素系の洗剤を混ぜて循環装置を運転すれば、ろ過器の中が消毒される。その後、湯を抜けばいい。次に、浴槽の内側と浴槽の床全体に、同じ塩素系の洗剤を園芸用のじょうろを使って広く薄くまく。それ自体の増殖力が弱いレジオネラ菌はこれまで取り除くことができる。足ふきマットを一日に何回でも取り換えるのは当たり前。日常の清掃はこれだけでいい。
◇レジオネラ属菌◇
自然界の土や水に生息する菌。吸い込み肺に入るなどして感染すると、高齢者や乳幼児、病人の場合、肺炎につながり高熱や呼吸困難、意識障害も起こし生命の危険を伴う可能性がある。浴場施設で利用者の体についた菌が持ち込まれ、増殖する事例が近年多発。宮城県日向市の温泉施設で昨夏、集団感染により7人が死亡した。スーパー銭湯や温泉保養施設が増える中、徹底した安全対策が求められている。
下記の記事は2003年1月5・12日のサンデー毎日に掲載されました(2002年12月24日発売)。
レジオネラ菌騒動なんて恐くない!
「温泉の達人」が教える
「安全な温泉」の見分け方、入り方
年末年始の温泉シーズンを控え、湯の里はレジオネラ菌騒動に揺れている。「循環式風呂」だけが問題視されるといった誤った情報に、利用客も旅館側も翻弄されているのだ。安心して温泉を楽しむためには、どうしたらいいのか――。
「死人が出たら恐いからと言われても、レジオネラ菌をゼロにしろということは、『お客を取るな』と言われるようなものですよ」
「レジオネラ菌がそんなに恐いのか!我々は、商売をしている。『入浴させるな(営業自粛)』と言われたら、風呂屋でなくなっちゃうじゃないか!」
11月26日、長野県と同県温泉協会が主催した「温泉管理研修会」の会場は、異様な空気に包まれていた。県内各地から詰めかけた約200人の旅館主たちの怒りが噴出したのである。
彼らが不満を爆発させたのには理由があった。本誌も「こんなに恐い有名温泉のレジオネラ菌」(9月29日号)で報じたように、宮崎県の温泉施設で6人がレジオネラ菌に感染死するなど、施設の浴槽などから国の基準を超える菌が検出される事例が相次いで発覚。そんな状況を見た田中康夫長野県知事が、全国に先駆けて、県内の温泉施設を対象に「検査結果の公表」「基準を超過した浴槽の営業自粛」「循環式風呂の表示」などを義務付ける条例改正を打ち出したのである。
こうしたレジオネラ菌対策については、厚生労働省も最近、条例化を後押し。2003年には、全国の都道府県で検査結果の報告を義務付ける条例化の動きがある。このような情報公開は、長い目で見れば、利用者が安心して温泉を楽しむことのできる判断材料になり、お互いのプラスにつながることは間違いない。
しかし、国の基準では、レジオネラ菌が1個検出されても、基準値の「100_g中10CFU」にカウントされるため、検査は事実上、菌が出るかどうかというのが実情という。ただでさえ大不況にあえぐ、経営が厳しい中小の旅館主たちにとって、それで罰則を科されるのは死活問題だった。長野県温泉協会の石川辰郎会長はこう窮状を訴える。
「条例を作るのはべつにいいんですよ。施設管理者がきちんと清掃衛生を心がけるようになるのなら、悪いことではない。ただ、患者も出ていないのに、いきなり営業停止は行きすぎです。まずは指導でいいのではないか。それに循環式を表示するのは問題。脱衣場などに『当館は循環式です』なんて書けば、お客さんは引いてしまう。予約のとき、お客さんから『おたくは循環ですか?』という電話が殺到していて、会員はみな困っているんです。こまめに濾過器などを清掃しているかどうかが問題なのであって、循環風呂だから危険なわけではないんです」
こうした反発を受けてか、結局、田中知事は予定していた12月議会には条例改正案を提出せず「先送り」を決めた。この長野県の突然の先送りに、困惑しているのが、他の自治体だ。なにしろ、長野県の様子を見ながら、罰則も盛り込んだ条例化の準備を進めていたからだ。
自治体関係者によれば、菌がいくつ出たら危ないのか、現状では確立されていない。しかし、感染による死亡者が出れば、判断を間違ったことになる。だから、検出されたら自粛せざるをえないのだという。
湯の許可に「浴用」と「飲泉」あり
いずれにしても、この夏、宮崎・日向サンパーク温泉の集団死亡事件以降、国が慌てて基準を厳しくしたのが実情のようで、この問題はまだ始まったばかり。安全、安心を求める情報公開の流れは、もう止められないことだけは確かだ。
裏を返せば、これまで安全性を求める利用者の視点に立った正確な温泉の情報は、あまりにもなさすぎたのではないか。空前の温泉ブームにもかかわらず、テレビなどでは、不確かで、いい加減な情報ばかりが氾濫していたようにも思える。
そこで、全国約1000カ所の温泉施設を調査し、温泉のウラのウラを知り尽くした、温泉衛生コンサルタントで「スパライズ」社長の中澤克之氏に、安全な温泉の見分け方、入り方を教えてもらった。
Q:本当に循環式風呂だけが危険で「かけ流し(50度くらいの源泉を温度調整器なでを通さずに流している)浴槽」は安全なのか。
A:かけ流しからも、菌が出ています。一般的には、古い湯が窓側の源泉口から反対側にオーバーフローで押し出され、湯が全部入れ替わる仕組み。しかし、最近は、洗い場側にオーバーフローさせないようにしているため、洗い場側の脇などが滞流して入れ替わらない。だから、この付近で繁殖してしまうことがある。また、源泉からタンクにためるとき、空気に触れ、混入する可能性があるんです。
Q:テレビを見ていると、上から湯船に流れ落ちてくる湯を口に含んで「うん、この温泉は‥‥‥」なんて言っているシーンがよくあるが、上から流れ出ていれば源泉なのか。
A:以前、温泉通とかいう人が、上から流れてくる湯を飲んでいるのを見て、たまたま知っている施設だったので「あの浴槽は循環式なのになあ」と思ったことがある。循環させた湯は99年以降、湯船の下から出させなければいけなくなったんですが、それ以前はアトラクション的に湯船の上から出していた。当時の施設がまだ多く残っているんです。また、新しい源泉と循環湯を途中で混ぜて流している場合もあり、それを知らないで配管だけ追っていくと、源泉から来ているからと勘違いしやすい。上から出ているから、源泉とは限らないんです。
Q:源泉なら、飲んで味を確かめても大丈夫なのか。
A:温泉には、浴用の利用許可と、飲泉許可の2種類がある。飲泉の許可が出ていない所で、飲んで味を確かめること自体、問題がある。飲める温泉は、源泉そのもので、タンクにためないで出したもの。埼玉県のように許可していない県もいくつかある。飲むことの効能と、衛生状態が保たれているかどうかの兼ね合いがあるのです。飲泉ができる場合、必ず掲示されているので、よく注意書きを読んで、飲んだほうがいいですね。
Q:窓側に湯をオーバーフローさせている浴槽は循環式の可能性があり、洗い場にあふれてるのは、かけ流しと、テレビでは放送されていたが‥‥‥。
A:循環式であっても、新しい源泉をどんどん補給し続けているのが一般的。温度保持のために循環させているのであって、湯を洗い場側にあふれさせてしまうと、石鹸や汚れなどが混入するし、お客さんがすべって危ない。確かに窓側に回収槽を作って循環している場合もあるが、オーバーフローは本来、窓側に流すのが原則なんです。しかも、実は、洗い場側に回収槽がある施設もあるんです。汚れなど洗い流した湯を循環させて湯船に使っていたのには、さすがに驚きました。そこは公共の宿ですが、入札した設計者が何の知識もなく適当にやってたんですよ。当時、役場の人たちがOKだしちゃっているから「もう工事はできない」と言われました。だから「洗い場側にあふれている風呂はいい」なんて、一概には言いきれないんです。
予約時の対応に出る旅館の姿勢
Q:電話で予約するときに、何か判断できる材料はありますか。
A:予約するときに、例えば「循環式ですか」と聞いてみると、その旅館の姿勢がわかる。「温泉資源の有効活用のために循環装置は採用していますが、清掃衛生管理については責任者を置いて努力していますので、ご安心ください」というコメントがきちんと返ってくれば、自信を持って情報公開している施設。しかし「いやぁ」とか「少々お待ちください」などと動揺するような施設は、少し注意が必要です。でも、温泉は、循環式だけで判断するのではなく、料理や湯船に入ったときの景色など、トータルで決めるもの。聞く側にとって、予約時の対応は、旅館の姿勢を表す、ひとつのバロメーターとして考えればいいと思います。
Q:旅館に着いてから、注意するべき点は?
A:廊下のスリッパが、ヌルヌルしている施設はダメですね。スリッパの清掃をしていないということです。最近、若い女性客も、スリッパを履かなくなりました。ちょっとした心遣いで、スリッパに「清掃済み」などとなっていれば、お客様を迎えるうえで、旅館全体がきちんと衛生的に保たれている所です。そんなにお金をかけなくても、スチームをかけるだけでも減菌されるので、ずいぶん違ってくるのですが‥‥‥。
Q:風呂場でチェックすべき点はどこですか。
A:なんといっても、足ふきマットが黒ずんでいたら、カビだらけの証拠です。ちょっとめくれば、真っ黒になっているのでわかりやすい。受けるスノコがピンクに変色しているのも、カビです。お客様をお迎えするのであれば、毎日清掃するのは当たり前のこと。足ふきマットには、黒カビや白癬菌などがいる。足を踏んで、そのまま浴槽に入れば、湯船の中に持ち込まれてしまうわけで、旅館経営者の衛生に対する姿勢もわかります。
人気の岩風呂は衛生面で問題が
Q:洗い場の床がなんとなくヌルヌルしているのは、温泉の泉質とは関係ないのですか。
A:床がヌルヌルするのには、温泉の泉質によるものと、細菌類が原因の場合と2通りある。しかし、泉質によるヌルヌル感は、湯船の中の話ですよね。洗い場の場合、泉質ではなく、バクテリアや細菌類が繁殖しているんです。むろん、きちんと清掃さえすれば、ヌルヌルしなくなります。逆に、湿った状態でずっと放置していると、レジオネラ菌が巣を作っちゃう。すると、ヌルヌルしたバクテリアを踏んで、そのまま湯船に入れば、繁殖してしまいます。だから、せめて床は毎日、清掃しなければいけない。
Q:湯船の湯がヌルヌルするのは、泉質ですか。
A:湯を触ってみて、スベスベするのは泉質です。しかし、ヌルヌルするのは、やはり清掃していない現れですよ。ヌルッというのは、やはりバクテリアや微生物なんです。スベスベとヌルヌルは、明らかに違いますね。ちなみに、人気の岩風呂は穴がいっぱいあり、その中で掃除しきれないから、あまり好ましくはないんです。単純に衛生だけを考えれば、普通の浴槽のほうがいい。ただ、温泉というのは、岩のゴツゴツ感や雰囲気も大事ですから、一概には言えません。
Q:温泉から出た後は、シャワーなどは浴びないほうがいいのですか。
A:温泉水がついていると保湿効果などがあるから、昔はそう言われていました。しかし、湯当たりを起こす可能性があるので、軽くシャワーを流したほうがいいと思います。
温泉は現在、レジオネラ菌の循環風呂問題だけがクローズアップされ、議論になっている。しかし、温泉は料理や景色、雰囲気、もてなしなどのトータルで癒されるもの。「温泉現場を知り尽くした達人」のアドバイスを参考に、あとは自分の感性によって選んだほうが納得がいくだろう。
ジャーナリスト・池上正樹
下記の記事は平成14年10月17日の毎日新聞に掲載されました。
今週の「異議あり!」
温泉施設の衛生対策コンサルタント
中澤 克之さん
なかざわ・かつゆき 66年6月群馬県生まれ。東京電機大理工学部卒。温泉設備販売会社に勤務していた時に、レジオネラ菌問題に関心を持ち、99年「スパライズ株式会社」(本社・神奈川県鎌倉市)を設立。同社は温泉設備や生活細菌などに関する相談、消毒業務を行っている。レジオネラ菌対策についての講演もしている。また温泉紹介記事なども執筆。
秋の行楽シーズン。「温泉でも……」といきたいのに、「レジオネラ菌」のことが気になる。この夏、宮崎県の温泉施設で7人の死者が出る大惨事があったばかり。温泉施設の衛生対策コンサルタント、中澤克之さん(36)は「国、施設、利用者それぞれが対策に真剣に取り組むべきだ」と指摘する。 【三角真理】
<温泉に入る時、ご自身いろいろ気になってしまうとか?>
◆まずマットに目がいきますね、カビで汚れていないか。また「よく体を洗ってから入りましょう」などという注意書きがあるかどうかも見ます。衛生面に気をつかっているか、それで施設側の姿勢が分かりますから。
<レジオネラ菌はどれほどまん延していると考えられますか>
◆私はこれまで北海道から沖縄まで約1000カ所の温泉施設の調査、消毒をしてきました。国はレジオネラ菌は、100_g中に10個未満という基準値を示しています。私が訪問した施設の約7割の施設から国の基準値を上回るレジオネラ菌が検出されました。
レジオネラ菌は25〜43度ぐらいで繁殖することから温泉などの入浴施設で問題になっています。直接吸い込むと、お年寄りや体の弱い人たちは肺炎を起こします。そういう意味で利用する人が心配するのも分かります。一方、温泉経営者たちにとっても心配のタネです。もし、自分の温泉からレジオネラ菌が検出されれば、死活問題だからです。
<菌のチェックや対策はどのようにとられているのですか>
◆国は対策マニュアルを作り、配布しています。しかし、そこに書かれた管理方法や消毒方法を守っても、すべての温泉施設で、完全にレジオネラ菌を除去できるわけではないのです。なぜなら温泉の泉質や温泉施設の構造は各施設異なるから。実際、私は、温泉浴槽の消毒を行うとき、塩素系など10種類ほどの消毒液を持って行きますが、どの薬品を使っても除去できないケースがありました。
<レジオネラ菌を除去することはできないのですか>
◆いえ、できます。ただ、浴槽やろ過装置、パイプなどあらゆるところを徹底的に掃除し、消毒しなければなりません。薬品と人件費などを合わせるとその経費は、普通規模の温泉で1回20万円、大きなところで50万円ぐらいかかります。こうした措置を1ヶ月に1度はすることが理想です。財政的には大変な負担で、各施設にこれらのことを望むのは酷ともいえます。
<とはいえ、利用する側からすれば、基準値より高い菌が出たと聞けば、温泉でくつろごうという気は起こりません>
◆ところがこの数値にも問題があります。どこの湯を採取したか、また入浴客が入る前だったか後だったか、観光シーズンだったか閑散期だったかなどでも数値は異なります。また私は以前、採取した湯を2カ所の分析機関に出したところ、「問題なし」という結果と「基準値の数百倍」の全く異なる値が出ました。数値には誤差やバラツキがあります。国にはまず検査で出る誤差をどのように解釈すべきかきちんと説明してほしいです。
<この温泉は安全かどうか、簡単に見分ける方法はありませんか>
◆衛生管理の行き届いていない施設は気をつけた方がいいでしょう。冒頭にお話しした「マットの汚れ」や「注意書きの有無」に気をつけるほか、浴槽やタイルがヌルヌルするようなところは管理が不十分な施設です。こんな温泉は、レジオネラ菌が繁殖している可能性も高いとみてよいと思います。
<今後、どのような対策が必要ですか>
◆国は早急に全国の温泉の実態調査をし、どのような対策がとれるのか研究してほしい。以前、ある温泉の消毒を手がけた時、なかなか除去できなかったため、最後の手段として、かなり強い消毒液を使いました。レジオネラ菌はどうにかなくなったのですが、1週間後、浴槽などが黒かびで真っ黒になったのです。想像していなかった事態でした。レジオネラ菌を殺せばそれでいいのか、という問題です。専門家の意見などを集めて、国や自治体は適切な対策を打ち出してほしい。
温泉の経営者たち自身でもできることはあります。まめにお湯を入れ替えることや掃除です。家の風呂だって2日に1度ぐらいはお湯を入れ替えるでしょう。大きなお風呂だったら取り替えないでいいというわけではない。
さらに利用者にも言いたい。レジオネラ菌は土や河川などに多く生息しています。結局、利用者の体についた菌が持ち込まれ繁殖しているケースが多いのです。ですから、浴槽に入る前に、足や髪の毛を洗う。お尻を洗わないで飛び込む子供も問題。温泉を楽しむためには、自分たちも意識を高めてほしいです。
平成14年10月17日掲載 毎日新聞
「循環式」表示戸惑い
県のレジオネラ症対策始動
県内の入浴施設の循環式浴槽から国の基準を超えるレジオネラ菌が相次いで検出されている問題で、県のレジオネラ症防止対策本部幹事会の初会合が11日、県庁で開かれた。
条例改正で水質検査の結果公表や循環式浴槽の表示を義務付ける、全国に例のない取り組みが動きだすが、循環式浴槽が少なくない温泉地には条例改正が「イメージダウンになる」と戸惑いの声も。レジオネラ菌の防除対策は未解明の部分もある。自助努力は欠かせないが、事業者は「県も対策を一緒に考えてほしい」と求めている。
欠かせぬ自助努力
防除研究など県支援必要
宮崎県の温泉施設でこの夏、レジオネラ菌の集団感染で7人が死亡した。「健康被害を防ぐのが第一」(県食品環境水道課)と、相次ぐ菌検出に県の対応は素早かった。
関係条例の改正で対象になるのは、公衆浴場や旅館、ホテルなど8700余の施設。
厚労省の衛生等管理要領には無い、検査結果の公表や、国の基準を超えた場合の施設営業停止措置などで、利用者保護の観点から情報開示を進める。
県の方針に対し、県内の温泉施設や源泉所有者らでつくる県温泉協会の石川辰郎会長は「循環式浴槽の表示義務には反対」という。「循環式は『天然温泉ではない』『危ない』という誤解から悪者扱いされないか」
同会長によると、県内の温泉地では相次ぐ掘削で湯量が減少、さらに施設の規模拡大などによって、自噴だけでは湯量を確保できないところが少なくない。「きれいな湯を提供するため」何らかの形で循環式浴槽を使う施設は8割、源泉をタンクにためているところもあるのが現状という。
レジオネラ菌は循環式浴槽で繁殖しやすいとされる。利用者が安全を判断できる情報の提供は不可欠だ。県が、条例改正を打ち出したのも「温泉は重要な観光資源。観光県として大変な危機感を抱いている」(田中知事)との認識からだ。
ただ、有機質の多い温泉は塩素による殺菌を試みても成分と反応して効果がなく、対策がとりにくいケースもある。「塩素剤を多く入れると泉質まで変わってしまい、温泉の意味がない」と石川会長。温泉法を所管する環境省は本年度から3ヶ年計画で泉質別のレジオネラ防止対策をまとめるが、9月下旬に初会合を開いたばかりだ。
全国の施設の状況に詳しい温泉コンサルタント中沢克之さん=神奈川県鎌倉市=は、
「条例改正に猶予期間を設け、個々の泉質に基づいて実態調査を進め、菌を出さない方法を確立すべきだ」と提案する。
これまでも、循環式浴槽を使う施設は、取り組みを重ねてきた。国が示している指針以上にろ過器の消毒などを行い、残留塩素濃度も1時間おきに調べているという県内のスーパー銭湯の統括責任者は「条例改正は業界の危機意識を高める」とし、「安心と安全を提供するのは自助努力しかない」という。
県公衆浴場業生活衛生同業組合の夏目正也理事長も「県に言われる前から独自に取り組んできた」と強調。2年前から59の全組合員で自主的に水質検査を行い保健所に報告、報告書を銭湯内に掲示している。残留塩素の測定器も全組合員で備えた。
しかし、厚労省が連日使用の循環式浴槽で湯の入れ替えを週に1回以上行うなどと示した衛生管理指針を守っても「菌が出てしまう施設がある」と中沢さんは指摘する。
この日、小県郡丸子町ではかけ流しの浴槽からも基準を上回るレジオネラ菌を検出。菌の感染に至る経緯や除去の方法には未解明な部分も多いが、県は「安全を守るのは事業者の責務」(食品環境水道課)とするだけだ。
「行政は出口(菌検出)を取り締まるだけでなく、入口(防止対策)も支援してほしい」。夏目理事長は、県が業界と一体となって安全対策に取り組むよう訴えた。 (畑谷 史代記者)
(信濃毎日新聞10/12掲載)
下記の記事は2002年9月29日のサンデー毎日に掲載された記事です。
実測データ入手!
こんなに怖い 有名温泉のレジオネラ菌
そのデータを見てぞっとした。名高い温泉地のレジオネラ菌のデータが国の安全基準値を大きく上回っていたから。体が丈夫だから気にしない? いや知らないで体の弱いお年寄りが入ったら……。ところが業界関係者は「別に珍しいことではない」とうそぶく。いったい、どうなっているのか。
秋の温泉シリーズは、これからがたけなわ。ところが今年はちょっとした“異変”が起きているらしい。温泉地によっては「おたくは大丈夫か」という利用客の問い合わせが相次いでいるところもあるという。
関東地方にある旅館関係者がこう話す。
「以前は、利用客からの問い合わせといえば『露天風呂はありますか』などという気軽なものでした。それが今年は『おたくの温泉は循環風呂ですか?』と事前に確認してくる。旅館としてはウソをつくわけにもいかず、困り果てています」
このところの温泉施設のレジオネラ菌騒動で、循環風呂は怖い、というイメージが利用客の間に広まりつつあるからなのだ。
7月に宮崎県日向市の第三セクター運営の「日向サンパーク温泉」で起きたレジオネラ菌集団感染事件は、それほど衝撃的だった。なにしろ当初の宮崎県の公表では、患者数は15人だったのが、被害がどんどん拡大し、これまでに死者6人、患者数300人近くにまで達する前代未聞ともいえる惨事になったのだ。
しかも、保健所から感染を指摘されながら、この施設はその後3日間も営業を続けていたことが発覚した。オープンして1ヶ月もたたない施設でありながら、循環式風呂の配管のろ過器などからレジオネラ菌が見つかり、湯の中では厚生労働省の衛生基準の15万倍にも増殖していた。県警は業務上過失致死傷の容疑で捜査を開始。代表取締役でもある日向市長は「このような事態に至ったことは、誠に残念であり、申し訳なく存じております」と陳謝している。
左の表(図1参照)を見ても分かるように、入浴施設などでレジオネラ菌による感染死亡事故が相次いでいる。厚生労働省によれば、昨年1年間に報告のあったレジオネラ菌感染者数は83人。うち死亡者13人に上っている。今年は7月21日までのデータで、すでに感染者数は55人。日向市の自己はこれに含まれていないため、今年の感染者数は相当数に上ると見られている。
さて、本誌は、驚くべきデータを入手した。
東日本のある地方で、温泉施設の水質調査などを実施した業界の部外秘の報告書である。情報元との関係で具体的な地名を明らかにすることはできないが、著名な温泉地も複数含まれている。
私たちがふだん利用するような日帰り入浴施設や、旅館の露天風呂などを対象に調査。報告書には、施設ごとの細菌数が記されていた。まず業界の検査報告書を集計したところ、約200ヶ所の風呂のうち、46%で厚生労働省の基準値(100_g中10CFU=注)を越えるレジオネラ菌が検出された。また、約50ヶ所あるクーリングタワー(冷却管などの施設)の42%で、やはり基準値を超えるレジオネラ菌が見つかっているのだ。
しかも、ある温泉レジャー施設の風呂からは、なんと100_g中1万5840CFUのレジオネラ菌が検出されていた。また、別の施設では、レジオネラ菌が大きく基準を超えただけではなく、一般細菌数も1_g中2万5400個あった。さらに、ある旅館の露天風呂では、やはりレジオネラ菌以外に、大腸菌まで見つかっている。しかし、こうした検査結果が利用客に公表されることはなかったという。
調査に当たった関係者はこう話す。
「異常な数の菌がもし発見されても公表されないケースはよくある。ただ、出てしまったものは仕方ない。それよりも、塩素で消毒する癖をつけることを啓蒙し、出なくなるまで追検査するのが常識になっている」
レジオネラ菌に詳しい九州大学医学部の吉田真一教授(細菌学)はこう指摘する。
「菌の数を完全にゼロにするのは難しい。ただ、10CFU未満という国の基準を超えると、人間にも抵抗性の強い人と弱い人がいますし、強い人でも吸入した菌の数が多ければ、感染して肺炎になる可能性があります。だから、このデータ(今回入手した報告書の特異値)くらいの菌数になると、非常に危ないですね」
菌の数が多ければ、それだけ感染するリスクは高くなる。しかも、こうした菌入りの湯をシャワーや給湯に利用している施設まであるという。とくにシャワーだと、顔や頭に当てたしぶきを吸い込む可能性は十分にありえるのだ。
では、どのようにしてレジオネラ菌は、人に感染するのだろうか。吉田教授はこう説明する。
「レジオネラ菌は自然界の川や湖などの淡水や、湿った土に住んでいます。アメーバなどの細菌捕食性原虫などの中で増えていると考えられています。24時間循環式風呂では、体から出る垢をバクテリアで分解させるためにろ過装置を作っている。そこにアメーバなどの原虫がいますので、レジオネラ菌がアメーバの中で爆発的に増えるんです。細菌は気泡ジェットやジャグジーなどが人気で、泡が立ちますので、湯に含まれている菌が水中に漂い人の肺に入るんです」
むろん、知識のある施設なら、塩素消毒などをすることによって、ある程度菌を抑えることができる。しかし、そもそも菌数調査をしなかったり、レジオネラ菌が増えていることすら知らずに営業しているケースも少なくないという。こうした衛生対策に不勉強な施設が問題なのだ。
では、レジオネラ菌が体内に入ると、どうなるのか。
「菌は気管支から肺の中に入ります。気管支で引っかかれば、繊毛運動でタンとして丸めて吐き出すのですが、侵入してくる異物を消化したり殺したりする肺の末端にいる細菌に食べられると、菌はその中で増殖することになる。そうすると、菌の数にもよりますが、平均2〜3日で38度以上の熱が出ます。だるいなど風邪のような症状のほか胸が痛い、呼吸がしにくいなどの肺炎症状が出ます」(吉田教授)
モルモットの実験では、約1000個のレジオネラ菌で発症しているという。が、人間の場合、どのくらいの数が入ると発症するのかはまだ分かっていない。
「このとき、肺炎という診断名がつけられますが、一般の肺炎には有効なペニシリン系やセファロスフォリン系の薬剤を使ってもまったく効かない。すぐにエリスロマイシンという薬に切り替えないと、症状がひどくなったり、手遅れになったりすることがあるんです」(同)
結局、現場でレジオネラ菌を疑えるかどうか、臨床医の知識や判断も重要になってきそうだ。
では、こうした死亡事故が相次いでいる事態を、厚生労働省は、どう見ているのか。きちんと指導しているのだろうか。
「基本的に、国には各営業所への指導の権限はありません。都道府県などの自治事務になっているんです。ただ、日向市の事故を見ても、レジオネラ菌対策が現場に浸透していない。看過できないので、自治体の営業者への研修事業に補助を出すことをすぐ決めました。また、9月末には、全国の保健所職員を集めて、過去の事例から学ぶレジオネラ菌対策会議を開く予定です」(生活衛生課の担当者)
一方、全国の旅館や温泉組合などでつくる日本温泉協会でも、利用客への温泉の情報公開など対策に取り組んでいる。
「レジオネラ菌関係の注意事項を盛り込んで会員に注意を呼び掛けたり、経営管理研修会や勉強会でも積極的に取り上げています。ただ、個々の施設については、泉質ごとに特性があるので、問い合わせがあった施設に対応している状況です。また、お客様には、浴槽ごとに審査して、管理が適正に行われているかどうか、看板の中で表示を行おうということで、内容を検討しているところです」(同協会の寺田徹事務局長)
看板は「天然温泉表示看板」と呼ばれるもので、▽浴槽のお湯が循環しているのかどうか▽ろ過器の管理が行われているかどうか▽加温・加水の有無―――などの情報を表示していく制度という。順調にいけば、年内中に実現させる予定で、HPなどでも公開される。業界内からの取り組みとして、注目されそうだ。
最後にやはり気になるのは、安全な温泉の見分け方だ。別項でも触れているが、専門家の吉田教授にも聞いてみた。
「九州でいえば、別府温泉などは、各旅館が源泉を持っていて、余ったお湯をどんどん捨てています。そういう温泉なら安心です。ところが、いまは出る湯量に対して旅館やホテルが多すぎる。お湯が足りなくなっているから、何度も循環させて使い回しているのです。また、温泉とうたいながら実は沸かしているだけとか、公衆浴場でも24時間循環式風呂が増えた。そういう施設は要注意です」
「塩素のにおいがする温泉は安全」とも言われるが、受け入れられていない。硫黄臭ならともかく、温泉で塩素のにおいというのでは、雰囲気が出ないのであろう。
いまのところ安全な施設かどうかは、温泉施設の経営者が衛生面に気を使っているかどうかにかかっている。だから、私たちの側がそれを見抜けるかがポイントになってくる。やはり冒頭で紹介したように、電話でしつこく問い合わせるしかない。その時の対応ぶりで、安心できるかどうか判断するのだ。命の洗濯しに温泉に行って、命を取られたらたまらない。
ジャーナリスト・池上正樹
「循環風呂」といっても安心してはならない
温泉衛生コンサルタント 中澤克之氏
「スパライズ」社長の中澤克之氏は全国の温泉施設の衛生対策を手がけているコンサルタントだ。中澤氏に現実の実態と「安心できる施設の見分け方」を聞いた。
今回の日向市の事故にしても、「オープンするまでタンクのお湯をためていたから悪い」などと言われていますが、あんなことはどこでもやっていることです。循環風呂だけがレジオネラ菌の原因とされているような風潮があります。しかし、実際には、循環させていない温泉でも、たくさんレジオネラ菌が出ています。お湯が浴槽からあふれてるからといって、必ずしも安全ではないんです。
専門家に言わせれば、レジオネラ菌は1個でも存在すれば問題だそうですが、うちが相談されたり調査したりした現場でも、何千個、何万個の菌がゴロゴロ出ているのが実態なんです。ごく一部ですが、源泉から菌が出た現場もあります。
そこで、「レジオネラ菌ビジネス」が流行しているんですが、これまでの方法や薬品はあまりうまくいっていません。泉質や施設、温泉の補給状況、タンクの大きさなど、いろいろな問題があるのに「こうすれば大丈夫」というやり方をしている。また、保健所が指導した後でも菌が出てしまう施設があったので、うちが24時間かけて菌を徹底的にたたいたんです。すると、薬品代、人件費、作業費などで1回50万〜60万円かかりました。そうなると「それだけのお金を年に何回かけられるのか?」という経費面の難しさもあるんです。
では、安全な温泉施設かどうか見分けるにはどうしたらよいか。私が利用者なら、まず風呂場に入って床がヌルヌルしている所はやめます。それに風呂場の壁やシャワーなどにカビが生えている所は、菌のことなど考えていないんですよ。それから、湯船の排水升を触るとヌルッとしていたら、バクテリアの固まりといっていい。そういう所に目が届いていないようなら、衛生面までは考えていないんでしょうね。
一方、たとえしっかり清掃されていても、子供が尻も洗わないでそのまま入っているような風呂なら、当然ながら大腸菌などもウヨウヨしています。だから「体や頭をよく洗ってから入りましょう」という注意書きを掲げている風呂場は、ひとつの目安にはなります。話は少しそれますが、更衣室のマット。あれには水虫などの菌がたくさんいます。私はなるたけ踏みません。
冒頭の「循環風呂」の話に戻れば、お湯があふれているのを見て安心していても、実は再循環させて湯量を豊富に見せる演出だったりする。また、温泉分析表で源泉温度が50度あるのを見て「ここは”かけ流し”だからいい」と思う人も多いが、あまり当てになりません。そもそも温泉分析表自体、掘ったときにゴマカシもできてしまうんです。施設側が本気で衛生問題に取り組み、情報を公開しようとしているかどうか、利用者はきちんと聞くべきです。
下記の記事は、長野市民新聞の平成14年1月3日に掲載されました。
“厄介もの”転じて福
松代温泉焼 松代・国民宿舎松代荘
「松代温泉焼」は、松代町の国民宿舎松代荘が発売した鉄分など、温泉の沈殿物を上薬に利用した陶器。昨年6月から観光客向けに売り出した。浴槽の底や排水溝にたまる松代温泉特有の沈殿物、いわゆる温泉ごみを逆手に取ったアイデア商品が、松代の新名物の地位をうかがっている。
松代温泉は、鉄、ナトリウム、カルシウムなどを多量に含み、皮膚病や胃腸病などに効能がある一方で、年間数トンにもなる泥状の温泉ごみを生ずるのが悩みの種だった。
“厄介もの”が転じて福をなすような有効打はないのか。松代荘を運営する市開発公社が数年前から知恵をしぼり、取引先の温泉コンサルタント会社と試作を重ねて商品化にこぎ着けた。
神奈川県鎌倉市の陶芸家、清水和子さんに依頼した手作り陶器は、多量の鉄分のため、土器にも似た褐色が素朴な魅力を醸し出している。土産品売り場にコーヒーカップやとっくりなど数種類が並び、価格は600〜3500円。タンブラーはビールの泡立ちが細かく一味違うと評判だ。
同荘支配人の真篠武さんは「松代荘をいつまでも思い出してもらえ、土産品として最適」と、今後の売れ行きに期待を寄せている。
(長野市民新聞1月3日掲載)
下記の記事は、観光経済新聞の平成13年12月8日に掲載されました。
商品リポート
ぬいぐるみ オリジナル品を制作
東京・お台場にある「船の科学館」は、海と船の文化をテーマに海事総合博物館として造られた。貴重な実物資料や模型をはじめ、シアターや参加型のアトラクションなどもあり、海と船の過去、現在、未来を楽しみながら学ぶことができる。そんな同館ではこのほど、オリジナルキャラクター「ヒゲ船長」のぬいぐるみの販売を始めた。
きっかけは、観光経済新聞で紹介された、スパライズのぬいぐるみの記事だった。同館では以前からキーホルダーやキャップ、帆船模型などのオリジナルグッズは扱っていたが、ぬいぐるみの品ぞろえは十分とはいえなかった。そこで「記事を見て、すぐに注文しました」と企画室室長の野村幸雄氏は語る。
当初は、動物やペットボトルにもなるぬいぐるみを仕入れ、好評を得ていた同館。しかし、スパライズがオリジナル品の制作も請け負うことを知り、ヒゲ船長のぬいぐるみを発注した。ヒゲ船長のぬいぐるみは、大小二種類のサイズがあり、大を千四百八十円、小を六百八十円で売り出した。「特に販売直後の反響がすごかった」(野村氏)。現在もコンスタントに売れている。
大サイズは、孫のいる年輩者に、小サイズは修学旅行などで訪れる小中学生に人気が高い。「やはり、皆さん“かわいい”といって買っていかれます。お求めやすい価格設定も良いのでは」(野村氏)。今までは、一般的に有名なキャラクターグッズも売っていた同館だが、これをきっかけに「オリジナルキャラクター商品の品ぞろえにちからを入れていく」(野村氏)。
なお、スパライズのぬいぐるみは低価格のうえ、小ロットから作れるため旅館・ホテルでも人気が高まりつつあるという。
この件についての問い合わせ先は、スパライズ(TEL0467−61−0305)、船の科学館企画室(TEL03−5500−1116)。
(観光経済新聞 平成13年12月8日掲載)
下記の記事は、女性セブンの平成13年12月6日号に掲載されました。
野放し! 「死の温泉細菌」― 「循環」「低温」「ぬるぬる」「危ないお風呂」の見分け方G付
「各地の温泉施設を調べれば調べるほど安心できない状況だということがわかります。良心的な業者さんが多いとは思いますが、杜撰なところも決して少なくないんです」
現在、国内の温泉施設を調査しているある専門家が驚きを隠せない表情で明かす。
冬休み、行楽シーズンを前に国内ではにわかに温泉ブームが巻き起こっている。理由のひとつは米国同時多発テロ事件。
「テロの影響で、飛行機に乗るのが不安だからと、年末年始にかけて海外旅行をあきらめて国内旅行を選ぶ人が多く、急速に予約が伸びています。この時期、もともと温泉の人気は高いのですが、こうした状況でさらに人気が出ています」(日本旅行業協会広報室)
だか、冒頭のように全国各地の温泉を舞台にある危険な細菌の存在が問題視されているのだ。
11月19日、こんな記事が一般紙全国版に掲載された。
《レジオネラ菌 浴槽の湯替えなかった施設関係者送検》
昨年6月、茨城県石岡市が経営する『ふれあいの里石岡ひまわりの館』で浴場利用者45人がレジオネラ菌に集団感染し肺炎で3人が死亡した事件が起こった。県警と石岡署はこの11月19日に、安全管理の注意業務を怠り浴槽の湯を替えないまま営業を続けたとして同時の館長と市の担当者、関係業者の計5人を書類送検したのだ。
さらに昨年4月にも、静岡県掛川市のリゾート施設『つま恋』内の温泉「森林乃湯」を利用した24人が、やはりレジオネラ菌に感染、2人が死亡している。
温泉設備に関するコンサルタント業務を行う『スパライズ株式会社』中澤克之社長がこのレジオネラ菌について、こう警鐘を鳴らす。
「石岡市や掛川市の事件があってレジオネラ菌は危険だということで危険だということで厚生労働省は慌てて指針を出しましたが、いまだ罰則などの強制力をもった指導ができていない。各地の温泉でも検査を行っていますが危険な数値が出たところも少なくない。調査をしてもデータを隠そうとしているところも多いんです」
そんななか、最近になって恐るべき調査結果が報告されている。
ひとつはある検査会社が、昨年1月から今年3月まで全国38か所の温泉施設を調査したもので、なんとそのうち27か所から基準数値以上のレジオネラ菌が見つかったのだ。
また、ある有名な温泉地の業者組合が今年9月10日に実施した検査結果では、なんと約30か所の温泉施設から基準値をはるかに上回るレジオネラ菌が検出されている。この地区でレジオネラ菌が検出されなかった施設は、わずかに6か所だけだ。
「しかも、100ml中3万2000CFU(CFUは菌の塊ひとつの単位)の数値を記録した施設を筆頭に、検出された30か所全てが厚生労働省の指針、10CFU/100mlを越える値だったんです」(調査した検査会社関係者)
この検査結果を驚きを持ってみる横浜船員保険病院内科医でレジオネラ菌に詳しい山田誠一医師だ。
「正直いって非常に驚きました。100ml中に100CFU以上が危険とされていますから、普通に考えたら、こんなに高い数値の温泉には入浴してはいけないと思います。温泉の効果うんぬんの前に病気になる可能性が高いです。体の弱い人ならばすぐにでも感染しかねません。早急に改善する必要があります」
微細な水滴から感染
温泉に潜み、湯治客を死に至らしめる恐怖のレジオネラ菌とはどんなものなのか。長年にわたって研究を続けている吉田真一・九州大学大学院医学研究院細菌学分野教授がこう説明する。
「レジオネラ菌は在郷軍人病の病原菌として知られるもので、1976年にアメリカのホテルで開かれた在郷軍人会で出席者に原因不明の重症肺炎が発生し221人が発病、34人が死亡したことで発見された病原菌です。もともと湖や沼などの湿った土中や淡水に生息しています。自然界では爆発的な増殖はありませんが、エアコンや給湯器、不潔な温泉などで繁殖します。危険なのはこのレジオネラ菌が呼吸の際に口から肺にはいると増殖するという特徴があることです。人間の肺胞にはマクロファージという細胞があり、外から侵入してくるバクテリアやカビを殺したりする役目を持っていますが、レジオネラ菌の場合、マクロファージの中で増殖してしまうのです」
この結果、「レジオネラ肺炎」と呼ばれる症状が発生する。症状としてはまず、菌を含む微細な水滴を吸い込んで2日から1週間の潜伏期間を経て自覚症状が表れる。高熱が出て、体がだるくなり、体の節々が痛むようになる。
「すべての医師がレジオネラ感染を知っているわけではありません。レントゲン撮影で通常の肺炎と診断されてしまうこともあるはずです」(前出・吉田教授)
一般的な肺炎の治療法はペニシリンの投与だが、レジオネラ菌にはそれも効かない。
「ペニシリンを投与しても、まったく効果はありません。ひどければ意識障害を伴うような40度以上の高熱が出ます。咳や倦怠感、頭痛、寒気、関節炎、筋肉痛、吐き気、下痢などの症状が出て、さらに適切な処置がされなければ肺炎が悪化し、意識障害もひどくなり寝たきりになります。痩せこけて心内膜炎を引き起こし、自力で呼吸ができなくなるのです。言葉も話せなくなり、トイレにも行けず、尿管を通すようになります。やがて人工呼吸も効果がなくなり、多くの場合は呼吸不全で亡くなります。早ければ発症後5日程度で死亡することもあるのです」(前出・山田医師)
前出の吉田教授によればレジオネラ菌が発生しやすい温泉は、湯量が少ないため循環させて温泉を使用しているところや、ろ過装置が不備だったり、洗浄が不充分だったりするところが多いという。
「さらに、レジオネラ菌発生している湯をジャグジーや打たせ湯、シャワーなどに使っていると危険です。飛沫や泡の微小な水滴を吸い込むことで肺にはいって感染します。健康のために温泉を飲む人もいますが、飲んでいるうちに肺にはいってしまうことも否定できません」(前出・吉田教授)
厚生労働省結核感染症課によれば、昨年1年間でレジオネラ菌に感染したとして医師から報告があった事例は全国で151件にも達している。
「感染した時点での報告しか受けていないので、死亡届は把握できていません。それぞれの自治体でも死亡者数の記録は取っていないと思われます」(結核感染症課)
厚生労働省では昨年12月15日に先の2件の死亡事件を重く見て生活衛生局長通知として「公衆浴場における衛生等管理要領」および「旅館業における衛生等管理要領」を全面改正し、公衆浴場の衛生管理の強化を指導した。その中でレジオネラ菌に関する水質基準を10CFU/100ml未満と設定、それ以上の数値が出ないことを求めている。そして次のような管理要点を示している。
●循環ろ過装置は1時間当たりで浴槽の容量以上のろ過能力を有すること。
●ろ過装置自体がレジオネラ属菌の供給源とならないよう、1週間に1回以上消毒を実施すること。
●温泉の泉質等のため塩素消毒ができない場合は、オゾン殺菌または紫外線殺菌により消毒を行うこと。
●連日使用型循環式浴槽では、1週間に1回以上定期的に完全換水し、浴槽を消毒・清掃すること。
しかし、これらを含め6項目の指導は全国の温泉業者に徹底されているわけではなく、罰則規定もまったくないのだという。前出の中澤氏はいう。
「まず問題なのは法整備上の問題です。温泉浴場の許可は環境省が管轄する温泉法での許可ですが、その後の衛生管理はその適用外で慣例として保健所の管轄となっており、法的な管理主体がない。だから、基準値以上の菌が出たとしても罰則などの強制力を伴った指導ができない。また温泉の場合はその成分によって数値が変わりやすい。それをどうするのか。さらに管理要点を守った上で菌が出たらどうなるのかについては何も指導していないんです」
「指導に従っても菌は死なない」
厚生労働省ではこの検査について、循環式浴槽の施設については「毎日完全換水型は1年に1回以上」「連日使用型は1年に2回以上」の検査を義務付けている。しかし、
「調査や検査を実施しても、3年間の保存を指導しているだけで結果を報告する義務もないんです」(前出・中澤氏)
これでは、まさに野放し状態である。
実際、各地の温泉も対応はさまざまだ。
「草津温泉は酸性が非常に強くて殺菌力が強いのでレジオネラ菌の心配はしていません。調査はしていますが、湯量も多く非循環ろ過式なので対策自体必要ありません」(草津温泉観光協会)
「菌の危険性については知っていますが対策のしようがないというのが現実です。具体的な対策自体あるのかないのかわからないんです。行政の指導は何もないですね」(湯河原旅館組合)
「厚生省の指導だと塩素を入れなければいけないんですが、塩素を入れると温泉の成分と反応して色が変わりにおいもきつくなってしまいます。しかし、指導どおりにしてもレジオネラ菌がすべて死ぬわけではないのが現状です。現実的でない部分があると思います。ですからそれ以上に独自に安全性確保をするために努力しています」(熱海後楽園ホテル施設課)
前途の、衝撃的な検査結果が報告された某県の県庁担当者にこの結果について聞いたところ、こんな答えが返ってきた。
「温泉施設を有する業者の独自調査なのですから、対応も業者が行うべき。報告義務も特にありません。現実問題として、強制的なことはやりかねる、というのが実情です。指導に従わなくても、罰則があるわけではありません。現在、罰則も含めて検討中です」
何ともあきれた対応というほかない。これで死者が出たらどう責任をとるつもりなのか。知らずにこんな温泉を利用してしまう観光客こそいい迷惑ではないか。
ならば、安全かどうかは、利用する私たちが判断するしかない。前出の吉田教授は安全な温泉のチェック項目として以下の8項目をあげてくれた。
@湯量が多く非循環型か。
A循環型でも、その都度、70度以上で殺菌しているか(レジオネラ菌は60度よりも高温であれば死滅する)。
B循環型でも、きちんと塩素消毒しているか。
C循環型の浴槽水をシャワー、ジャグジー、打たせ湯に利用していないか(菌を含んだ細かい水滴が空気中に散布され、口から肺に菌がはいる)。
D硫黄の成分は強いか(硫黄成分が強ければ泉質は酸性に傾き、酸性が強いほどレジオネラ菌も死滅しやすい)。
E浴室、浴槽は清潔か(ぬるぬるする場所には菌が住み着きやすい)。
F定期検査をうたっているか。
G従業員がレジオネラに関する知識をもっているか。
吉田教授はいう。
「自覚を持って安全管理を行っている温泉施設がほとんどだと思いますが、自分の健康は自分で守るしかありません。事前にきちんとチェックしてこぞ楽しい温泉旅行になると思います」
くれぐれも、前述のチェック8項目をお忘れなく。
下記の記事は、長野版毎日新聞の平成13年11月11日に掲載されました。
湯の色映す 焼き物人気
”温泉のごみ”上薬に再利用 「松代荘」で開発販売
長野市の松代温泉で、温泉の底に沈む鉄分などをリサイクルして作った陶器「松代温泉焼」が売り出され、観光客に人気を呼んでいる。これまで、ただ捨てられるだけだった沈殿物が日の目をみたわけで、関係者も「ぜひ松代の名物になってほしい」と期待を寄せている。
【宮島寛】
新開発の焼き物が販売されているのは、国民宿舎「松代荘」。松代荘は茶褐色の湯が特徴の同温泉街にある温泉宿。湯には鉄分、ナトリウム、カルシウムなどが多量に含まれ慢性皮膚病などに効能がある一方、沈殿物などが配管や側構内で固まり、年間約6トンのゴミになるという“副作用”もあった。
同荘を運営する市開発公社は、数年前からこのごみの再利用を検討、入浴剤や灰皿などを試作したが、すべて失敗に終わった。多量の鉄分により風呂釜を壊したり、硬過ぎて思う形に加工できないなど有効な利用方法が見いだせなかった。
しかし、昨年夏ごろ、取引会社から「陶器の上薬にはどうだろう」との話が持ち上がり、神奈川県鎌倉市の陶芸家、清水和子さん(60)に相談。清水さんは「リサイクルに貢献できるのなら」と快諾してくれ、かくはんした沈殿物に陶器を浸す方法で、今年6月に落ち着いた小金色の焼き物を完成させた。試行錯誤の結果だったが、強い温泉成分が幸いし、陶器の土に打ち消されない独特の湯の色を醸し出している。
湯のみやトックリが中心で、価格は600〜3500円。今月下旬には、表面に金粉模様を加えた新製品も登場予定で、同荘支配人の真篠武さん(56)は「厄介者だった沈殿物が特産品になるなんて」と喜んでいる。
問い合わせは同荘026−278−2596
下記の記事は、長野市民新聞の平成13年6月21日に掲載されました。
厄介な沈殿物も使いよう 褐色を生かし上薬に
松代温泉焼き 誕生
松代温泉特有の赤褐色をした湯の沈殿物を上薬にした陶器が完成し、国民宿舎松代荘=松代町東条=を運営する市開発公社は、21日から同施設の売店で販売する。 浴槽の底に沈殿したり排水口などに付着して厄介だって温泉残留物。 それを逆手に取り特色ある土産品にした。 施設利用者の思い出の一つになればーと期待している。 松代温泉は、鉄、ナトリウム、カルシウムを多く含んで泥状に沈殿しやすく、これまで清掃時などに捨てられるだけだった。
何とかならないものかと、同公社は赤褐色で泥状になる性質に着目。 温泉コンサルタントを通じ、神奈川県鎌倉市の陶工が沈殿物を上薬にできるか試作を重ね、特有の色を生かした陶器に焼き上げた。
「松代温泉焼き」と名付け、第一弾はコーヒーカップ、とっくりなど8点を1000〜3000円台で販売。 湯の花を土産にする温泉地は多いが、焼き物に再利用した例は珍しいという。
今後も上薬の仕上げを変えながら手作りの範囲で生産。 同公社担当者は「売店に寄って、自分が入ってきた温泉でできた焼き物に関心を持ってもらえたら…」と話している。
(長野市民新聞 2001年6月21日 掲載)
下記の記事は、観光経済新聞の平成13年4月28日号に掲載されました。
ぬいぐるみ 売店の土産品として

「宿泊施設の土産品売り場は、どこへ行っても同じものが並んでいる」。 そんな旅行者の声をよく聞く。 個性化が課題の旅館・ホテル業界では、料理や施設とともに、土産品についても自館オリジナル商品をそろえ特色を出そうとしている。 栃木県・鬼怒川温泉の鬼怒川グランドホテルは、スパライズが提案するベストエバー社製のぬいぐるみを売店に並べることで独自性を出すことに成功した。
同館では、売店は単に物を売る場所ではなく、楽しさを感じてもらえる遊びの空間と位置付けている。 「食べ物や特産品も重要ですが、ぬいぐるみや小物など目で見て楽しめるものを並べたいと思っていました」と取締役の波木真由美さんは話す。
そんな波木さんがスパライズのぬいぐるみを売店に置こうと思ったのは、毎週読んでいる「観光経済新聞」の記事がきっかけ。 「読んでみておもしろそうだと思いました。 売店の独自性をもっと出したいと考えていたので、さっそく注文しました」と波木さん。
クマのペットボトル入れやオランウータンなど五、六種類のぬいぐるみを置いている。 反響も上々。 スパライズでは、孫のプレゼントとして高齢者を対象に売り出しているが、波木さんの話では、実際には若い女性が自分用に購入するケースも多いという。 「売店の一角に並ぶぬいぐるみは見ているだけで楽しいし、見ているとどうしてもほしくなってしまうかわいらしさが魅力なのでは」と波木さんは分析している。
▽この件についての問い合わせ先は、スパライズ(神奈川県鎌倉市雪の下3-4-2 安田ビル п@0467・61・0305)
(観光経済新聞 2001年4月28日号 掲載)
新企画紹介: スパライズでは宿泊施設での子供用お土産品としてぬいぐるみ販売の企画を始めました。 下記の記事は、観光経済新聞の11月11日号に掲載されました。
商品レポート
ぬいぐるみ 子供用土産品として

宿泊施設の土産品売り場で「孫へのお土産を買いたいのだが、見つからない」という高齢者の声がある。 土産品として売られている品物は、酒やまんじゅう類が一般的なため、子供に喜んでもらえるものが少ないのが実情だ。
レジオネラ菌など各種の感染菌を殺菌する「BSシステム」を旅館・ホテルに提案しているスパライズはこの点に注目。 米国でぬいぐるみを製造、販売しているベストエバー社と提携して、宿泊施設向けに土産品としてのぬいぐるみ販売の提案を始めた。 「旅館・ホテルでは宿泊客の減少と料金の低価格化が進んでいるが、土産品の販売で、売り上げを増加させることができる」と同社。
ベストエバー社のぬいぐるみは全世界で流通しており、約四千アイテムがある。 特にそのタグは人気を呼んでいて、コレクターの間では評価が高いという。
また、各温泉地のキャラクターを題材にした、オリジナルぬいぐるみの製造も引き受けている。 このオリジナルのぬいぐるみにベストエバー社のタグを付けて販売することも可能だ。
刺しゅうによる名入れも無料で行う。 例えば、「○○温泉の××旅館」といったように施設名を付けられるほか、孫への土産として購入した客にはその子供の名前を入れてあげるサービスも展開できる。 後者の場合は、オーダーを同社に伝えて宅配する仕組みだ。
高価なイメージが強いぬいぐるみだが、「一般に流通しているものの約半額で店頭販売ができる」(同社)という。
このほか同社では、刺しゅう名入れキーホルダーも低価格で販売している。 「チャックイン時に部屋のキーに付け、チャックアウト時に宿泊の記念としてお客さまにプレゼントすれば、他館との差別化を図れるのでは」とアピールする。
▽この件についての問い合わせ先は、スパライズ(神奈川県鎌倉市雪ノ下3−4−2 安田ビル
2F、 рO467・61・0305)。
(観光経済新聞 2001年11月11日号 掲載)
出版
『安全な温泉あぶない温泉』
「知らなかった」では、済まされない!
あぶない温泉にはどんな共通点があるのか?
1000箇所以上の温泉を調べた温泉消毒のプロが教えるレジオネラ菌問題の知られざる実態と対処法。
草思社 本体価格:1300円 ISBN:4-7942-1198-8
テレビ放送